「あったかい木の家」

郊外の密集住宅地に建つ木造住宅。

 

オーナーは母と娘の2人。女性だけということもあり、プライバシーを守りながらも開放的な暮らしを意識しました。「とにかくあったかい家を安く作りたい」「木が好きなので、外にも内にも木が見える家にしたい」という要望を最大限に取り入れ、文字通り「あったかい木の家」をローコストで作った住宅。

 

壁内と壁外の二重の断熱材、断熱サッシと低輻射ペアガラスなどを使って高断熱・高気密で作ることにより、札幌市の次世代住宅基準に認定され、補助金をいただきました。

 

内部は全ての部屋が大きな吹抜けのリビングにつながっています。中央の階段が象徴的で、上り下りというアクティビティが生活にリズムを生み出しています。

 

周囲はタイルやモルタル、サイディングなど硬い材料が並ぶなかで、この建物は街に向かって道南杉の下見板張りという自然素材を使っています。ボリュームについても、他の家が幅いっぱいに建っているのに対して、アプローチ側に緩衝空間を設けました。さらに建物をセットバックして、高さを周囲よりも低く抑えているため、この家の周りでは道路から見える空の面積が多くなっています。

 

将来的には前面に1本の木を植えることにより、一息つける景観を考えています。